今まで、簡単に「クレジットカード会社」がカードを発行し、なんて書いてきていましたけれども、実際に私たちがクレジットカードを持つときは大抵、お気に入りのお店でクレジットカードを発行しませんか、と言ってクレジットカードの申込書を手渡され、その申込書の中では Visa とか Master とか選ばされます。しかもその申込書は手渡されたお店に渡すのではなく別の会社に送り、手元に届くカードの上にはお気に入りのお店のブランドが色鮮やかに踊っている横にVisa とかMaster と言ったロゴの入っていて、でも裏側には申込書を送った会社の電話番号が印刷されているので、このカードにトラブルが起きたときには一体誰にどう相談していいのやら。。。
あなたのクレジットカードを支える関係者とは
様々な役割の手があがるので クレジットカードが安心して使えます。 |
加盟店:あなたがクレジットカードで買い物をする先
当たり前のことを行って威張るな、と言われそうですが、買い物をするときにそのお店がクレジットカードの仕組みの中の加盟店でなかったら、クレジットカードでお買い物がそもそも出来ません。よくお店にクレジットカードの端末がレジの横などにあると思いますが、あれはどのお店にも置いてあるわけではないのです。(著者の浅草のお土産屋にも端末はありません。)小額の買い物に対して3%などの手数料が取られると商売にならない、とおもう人も未だ少なくないですし、やはり商売は現金ベースだ、という昔からの卸売の人とのお付き合いを大事にする人だっていらっしゃいます。そんな中、後述のアクワイアラーとクレジットカードの決済端末を置いて、手数料を払ってでもクレジットカードでの販売による機会を逃したくない、という判断をしたお店にある、そう思うと、クレジットカードでありがたく買わせてもらう、と感謝しないといけないかもしれませんね。
提携先:あなたのお気に入りのお店がクレジットカードを発行するわけではなく。。。
あなたがクレジットカードを選ぶ時に、重要視することの一つに、お気に入りのお店のクレジットカードであるかどうか、というのが多分気になると思います。その直感的な理由として、そのお店が好きであることと同時に、そのお店のポイントカード機能を兼ね備えている、とか、その延長でそのカードで決済したらポイントが通常より多くもらえる、シークレットバーゲンに招待される、などなどの特典が期待出来る、というところかと思います。マイレージもクレジットカードの世界では 提携先の一つ、なのです。 |
でも、そんな目的のために、後ほどイシュアーのところでご説明するような、クレジットカードを発行し(そのためにそれぞれの申し込みの信用枠の審査をし)、それぞれのカード会員の(自分のお店以外の利用分も含めて)建て替えをし、回収し、回収できなかったら。。。。といった一連のことをするのは、よほどクレジットカード事業にコミットしないと出来ないお話です。ですので、ほとんどの場合には、下記のイシュアーさんと提携して自社ブランドのカードを発行してもらうことになります。
ですので、もしカードの利用や返済のことで問題がある場合にはお店ではなくて発行したイシュアーと話をすることになります。
よく目にしたり耳にする例を挙げるとするならば、ANA や JAL といった航空会社や、Hilton などのホテルチェーン、JR東日本や東京メトロのような鉄道会社、三井ショッピングモール/アウトレットや三越/伊勢丹、大丸/松坂屋のような物販系、はたまた、野球チームやサッカーチームのサポーター専用カードのようなケースや、トヨタ自動車やBMWなどの車のオーナークラブのカードのようなもの、などなど、思っている以上にたくさんの提携先があることがわかります。
イシュアー:クレジットカードをあなたに発行する、あなたに一番近い人
前述の提携先で、ほとんど説明してしまいましたが、イシュアーと呼ばれる役割が、イシュアー自身のブランドのクレジットカードや提携先のブランドで発行するクレジットカードの- カード発行の申し込みを受け付け
- 申し込みに対して信用情報機関などの情報をもとに信用枠の審査をして、問題がなければ
- 申し込みに対してクレジットカードを発行し、
- 発行したカードが利用されれば、その代金の建て替えを後述のアクワイアラーを経由して(手数料を差し引いた形で)利用のあった加盟店に支払い
- 利用に合わせて、また発行したカードのポリシーに従って会員特典であるポイントやマイレージの付与とその管理を行い、
- 建て替えた代金を利用したカード会員から自動引き落としなどで回収し、
- もし回収できなければ法令等に従って債権回収したり、その情報を信用情報機関などと共有したり
よく見聞きする例で言うならば、アメリカン・エクスプレスさんであったり、三井住友カードさんであったり、JCBさんであったり、楽天カードさんであったりします。
ブランド・ホルダー:あなたのクレジットカードが世界中で使えるインフラを整備する人
クレジットカードの大きな特徴として、今ならば大抵のカードの場合、海外でも利用可能ですが、後で説明するべき話ですが、日本ではイシュアーとアクワイアラーが兼任しているケースがほとんどですので海外の加盟店、というのが海外展開しているJCBを除けばほぼないことになります。ではどうやって立替払いなどが機能するのでしょう。そこで初めてその実力が発揮されるのが、ブランド・ホルダーと呼ばれる世界的な決済システムを構築し、また、そのブランドでのルールなどを構築するといった世界的なクレジットカードビジネスのインフラを支えるのが、ブランド・ホルダーと呼ばれる企業です。
よく見聞きする Visa や MasterCard、アメリカン・エクスプレス、ダイナース・カード、そして JCB の5社が海外でも通用する国際ブランドとも呼ばれ、それが構築し、相互乗り入れするインフラを提供しているのです。
この中で、一番規模が大きいのが、Visa とマスターカードです。ですが、この二つは、他の三社と異なりイシュアーにならず、ブランドとインフラの提供に徹しています。そこはもともとがクレジットカードやデビットカードの決済に特化するところから始まったから、とも言われています。
他方で、アメリカン・エクスプレスは旅行業から端を発し、またダイナース・カードはレストランでのツケ払いをクレジットカードにした会社であり、そして JCBも1961年の設立と同時にクレジットカードを発行している会社ですので、国際ブランドでありながらイシュアーでもあるのです。
アクワイアラー:あなたがクレジットカードを使う、そのお店を支える縁の下の力持ち
縁の下の力持ち |
前述の通り、イシュアーのようにクレジットカードの保有者に向いている仕事というよりは、加盟店の募集、契約、利用端末の設置に始まり、利用時のイシュアーとの利用承認の管理や加盟店への立替払いの支払い、といった、加盟店のインフラを主に支えているのがこのアクワイアラーの仕事になります。
かなり地味な仕事ではあるのですが、日本ではイシュアーがアクワイアラーの仕事も行っているケースが多く、逆に日本においてはここだけでやっている会社さんはみずほ銀行さんとクレディセゾンさんが大株主になっているユーシーカード株式会社だけ、のようです(現在、UCカードはクレディセゾンさんが発行しているとのこと)。
なお、Square とか楽天スマートペイのようなスマートフォンにガジェットを繋げるだけでクレジットカード決済が出来る仕組みを提供する会社も加盟店を増やすという意味でアクワイアラーとして認知されるのか、と思ったのですが、Square には三井住友カードさんが、楽天スマートペイには楽天カードさんがそれぞれアクワイアラーとして付いているそうなのです。
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